“70歳からの手習い” の絵 [第1報] ギャラリーのトップに戻る   次の作品


           St. Stephan Church  (F3)


         上田 幸雄 (平成22年2月22日)

 70歳でリタイアーしてから自由時間が増えて スローライフの柱として ゴルフと共に絵を描くことにしました。 それから7年は瞬く間に過ぎ 満年齢で77歳、すなわち 喜寿になりました。

 高齢者の日々の先は 加齢と共に失っていくものが一つずつ増えていきます。
 その状況のもとで 私の絵のように 下手から始めて少しずつでも よくなるのが見える時は、明日への希望を与えてくれています。

 その小さな希望の油絵が物置に貯まってきていました。 そこで、自分の絵を初めて衆目に曝すことになりましたが、 喜寿を記念して個展を開催することにしました。

 平成22年1月14日(木)〜19日(火)まで 大阪・道頓堀にあるギャラリー 香(かおり)で、 多くの方に見ていただくことが出来、初個展と私の喜寿を合わせたお祝いと励ましを頂きましました。

 明るくて綺麗なギャラリーで、親しい方と一緒に自分の絵を見る機会も初めてだったり、平生なかなかお会いできない方にもお越しいただけたり、また、何十年ぶりかの再会を果たした幼馴染もいました。 大変 思い出多い個展となりました。

 絵といえば、昔から美しいものを見るとそのイメージを心に受け止め、時には絵にしたいという思いは何時もありました。
 しかし, 本業に忙しい時はそんな心の余裕がなく, 結局70歳になってから, ようやく心残りの一芸に取り組み始めることが出来ました。 しかし、見た目ほど簡単でないのが素人の芸事でした。

 今回掲載していただくのは、昭和34年から3年間留学していた米国・リーハイ大学時代のものです。

 1枚目は1961年3回目のクリスマスの日の絵です。 アメリカの家族に招かれてクリスマス・ディナー終えた後、自分のアパートに引き上げ静かな開放感と孤独の中で、ひょっと心の隙間に日本の家族のこと、大学の先生、友達のことなどが入り込んで、ちょっと感傷的になっていました。
 何時も見慣れている風景ですが、窓枠に区切られた雪深い教会の静謐が絵心を目覚めさせました。 そんな気持ちを塗り込んだ絵が St. Stephan Church です。

 2枚目は、 留学最後の秋の色を絵にしたものです。

 3枚目は 帰国後、リーハイ大学の印象的な雪景色を描いたものです。 それ以後70歳までの40年間は、殆んど絵を描くことはありませんでした。

                     (次回に続く)




             紅葉のリーハイ大学  (F3)
 

                     雪のリーハイ大学  (F6)