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 二月も末となり、ほどなくお水取りが始まります。
 とはいえ、陽が射さない時は日中でも川も畑もまだまだ冬景色。

 川鵜は群で行動しているが、ゆるい瀬の岩にてんでに止まりじっとしている様は一見寒々。
 自己主張が強いとも、それぞれの生活を大切にしているとも見える。

 稲作の作業は節分の頃から始まっている。 あちこちで耕耘機が株ごと田を返して行くと一面に土の匂いが湧き立つ。
 そんな田に鳧(ケリ)が拍子木を叩くような鋭い声で鳴く。
 羽根は地上では柔らかい保護色であるが、広げた時は黒白のコントラストが美しい。


 斑鳩の野鳥の二首です。


                宮 本 雅 史