本の紹介  孝子愛日 〜 GHQ占領下の船場の子供たち     2012/08/02 福地幹雄
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 この7月末に、大学同級生の梶本孝治君から、彼が著者・編集の本が贈られてきた。

 学生時代、彼を学校で見かかることは少なかったように思う。 体育会山岳部に属して、氷壁のモデルになったと言われていた篠田軍治教授と一緒に、しょっちゅう山に登っていたから。 クラス懇親会でも、「自分は山岳部卒」と言ってはばからない仁でもある。 

 学生時代は大阪船場の《老舗カバン屋のぼんぼん》とも聞いていた。 卒業後も、造船関連会社には就職せずに、カバン屋を引き継いだとも聞いたので、会うことは殆どなかった。

 今回の著書は、船場の名門小学校;愛日小学校の同級生達が小学生時代の想い出を纏めたものである。



ISBN978-4-94642119-8  (本体 2,000円)
 第二次世界大戦 敗戦直後の、GHQ占領下の船場のぼんぼん、いとさん、こいさんたちの小学生時代の追憶文を纏めたものです。

 日本中が焼け野原から立ち上がる序に付いた貧しかった時代、両親、家族が稼業を守り、必死に生きてきた時代に、それでも目を輝かして生き抜いてきた小学生達の思い出が一杯詰まっている。

 占領軍のジープと馬車が混在していた車道風景、占領軍から貰ったチョコレートの美味しさ、不味い学校給食の想い出など、我々古稀世代共通の想い出が記されていて、読んでいて楽しい。
 
 彼等クラスメートが尊敬して止まない恩師が、日本海軍潜水艦乗員であったというのも、如何にも敗戦直後の日本の小学校風景である。

 私の小学校恩師は陸軍歩兵隊2等兵だったと言われていた。

 小学校教師の息子の嫁、将来は小学校先生になりたいと言う孫にも読ませたい。


 2012年7月14日 発行
  著者・編集 梶本孝治
  発行 株式会社 ユニウス
      〒532-0012
      大阪市淀川区木川東4-17-31
       TEL : 06-6304-9325