船のカタチ (4) IBERIA、 CANBERRA、 ORSOVA、 ORIANA−P&O と ORIENTの船 2010-04 神田 修治 | ||
船の設計においては、まず性能が第一であり、それに加味するという具合にカタチも検討さるべきと思います。 かといって、船のカタチを工夫する余地は少ないかというと、そうでもなく、かなりの工夫もあり得るようです。 ここに示した4船で、IBERIAとORSOVAの組、およびCANBERRAとORIANAの組はそれぞれ主要寸法、性能は ほとんど同じで、就役航路も同じです。 水線下の船型もよく似ています。 P&O社 と ORIENT社 は姉妹会社でした が、船型線図や水槽試験は共通、と私は推定します。 つまり各組の両船の性能は同様です。 ところが、IBERIAとORSOVA、CANBERRAとORIANAは外観がかなり異なります。 Liveryも違いますがカタチが 大きく異なります。 P&O社船が普通のオーソドックスなカタチであるのに対し ORIENT社船はデザインが斬新と いうか、特異ともいえます。 ORIANAのSSR誌紹介記事でも 「本船が特別の外観をしていることに異を唱える者は ないだろう。 事実、船社と造船所は、あらゆる点で慣例を破った、と言っている」 と記しています。 ORIENT社船のカタチの特徴はNAV.BDG(船橋)を普通より後方へよせて、FUNNELと一体化しているところだと 思います。 私はORIENT社の工夫に敬意を表しますが、船のカタチとしてはP&O社船のほうが好きです。 ORIANAは保存船として別府に繋留展示された後、中国の上海、大連でも展示されました。 保存船となったのは本船が特異なカタチであったことによるのかもしれません。 (次回につづく) |