船のカタチ (9)   NORMANDIE、FRANCE、QE2、QM2 - 船首のカタチ   2010-09 神田 修治

  上掲4船はいずれも有名な客船ですが船のカタチとして、ひとつの共通点があります。

  それは船首のカタチ、上部の錨甲板あたりのことで、一般にここには錨装置や繋船装置が暴露配置されている
  のに対しこれらの船では1段下の甲板に置き、これらの装置を甲板と外板でカバーし流線形にしています。
  これはすっきりとしたカタチになるとともに、荒天時に青波の直撃を防ぐ効果もありよい工夫と思います。
  また彩色も白と黒の塗分け線を下の甲板から上の甲板へなだらかにつなぎ、見た目にシヤー(舷弧)を強調し、
  凌波性が良いように感じさせます。

  この工夫は NORMANDIE がはじめと思いますが、その後 FRANCE で同様に しており、それは同じ French Line
  だから当然としても、そのあと Cunard 社の QE2、QM2 までもがこれを真似しています。
  このように錨・繋船装置を覆うやり方は、その後、空母、クルーズ客船、自動車船等に広く採用され、コンテナ船や
  カーフェリーにもこのようにした船があります。この場合、錨・繋船作業が船橋から直接見えないで不便かと思うが、
  船長の友人に聴くと船内通信システムで対応できるようです。

  以上、船首のカタチという細かいことを記したが、「神は細部に宿る」という言葉もあるのでご了解願います。
  なお、NORMANDIE の資料は、K-シニア会員の赤木先生から、SB誌からのコピーを頂きました。

                                                                (次回につづく)

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