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 斑鳩の里でも一連の稲作作業が終わったようです。

 今年知った「中干し」という作業は田植えが終わってから一ヶ月程度あとに田の水を抜くことで、一株の茎数が増え過ぎないように、また根が十分張るようにとのことらしい。

 水を抜かれた田は時期が来るとまた水が張られるが、この「痛め付け」の効果を始めて認識した古人の洞察には感嘆する。

 十一月はじめには田に干していた稲藁が取り入れられる。 ある日の散歩のときに、一人で黙々と藁束を車に積み込んでいる若い人を見かけた。 

 普段、農作業に従事しているのは老壮がほとんどであることを思うと、いつになく活気のあふれる田園風景であった。


 稲作作業に因む二首です。

                宮 本 雅 史