コンテナリゼーションの中、新しい競争の出現もあり、英国や米国の名門船社の多くが姿を消しました。
しかしノルウエイの船社は種々の工夫をし、また自己のビジネスモデルを改革して活動を続け、今も残っている。
これらの船社は、従来の定期航路・一般貨物船事業から手を引きました。 定期航路はコンテナ船に変わったが、ノルウエイの船社はこのようなコンテナ船定航事業はやらず、各種の専用船事業に特化したといえます。
Wilhelm WilhelmsenグループのWallenius Wilhelmsen社はRORO船、PCCに特化し、その一例は上掲T船です。 T船は世界最大のRORO船等の理由により日本船舶海洋工学会のShip of the Year 2011を受賞しました。
Leif Hoegh社はPCCとLNG船に特化していますが、上掲DH船はPCCの一例です。 塗色デザインが良い。
Knutsen社は原油、石油製品、LNGの輸送事業に特化しましたが、BK船はLNG船の一例です。
Westfal-Larsen社は、前回(船のカタチ-33)にも記した広口・箱型船倉、走行門型クレーンのコンテナ船を進展させ、今もやっていますがその一例として近年就航したP船を示します。 カタチもあか抜けてきたと思います。
このようにノルウエイの船社は独特のコンテナ船(広口・箱型船倉、走行門型クレーンのコンテナ船)、RORO船、自動車輸送、LNG輸送等、自社の強みを生かして海上輸送の事業環境の激動に応じて自社のビジネスモデルをそれぞれ変革、開発、構築し、世界の船社が興亡する中、今も事業を継続している、といえると思います。
****
ところで日本の大手船社NYK、MOL、KLは、ある船種に特化するのではなく、コンテナ船、自動車船、各種タンカー、各種バルカー、LNG船等をオールラウンドにやっています。 私はこれも立派なビジネスモデルだと思います。 多角経営による事業安定という利点もあるし、私たち日本、さらには世界の食糧や資源の安全保障という観点からも大きな貢献をしていると思います。
|
|