船のカタチ(80C)  T2および派生型、Stanvac社、ESSO社のタンカー
               T2 Tankers <1940>、 STANVAC BANGKOK <1945>、
               STANVAC JAPAN <1952>、 STANVAC MARINER <1957>、
               ESSO SWITZERLAND <1959>、 同・増トン改造 <1962>
                                                                   2016-08 神田 修治


米国戦標船の中、Tシリーズは油タンカーです。 その中 T2は載貨重量16,000dwt、ターボ電気推進、15ノットの優秀船、500隻という多数が米国Sun造船所、Bethlehem-Sparrows Point造船所等で建造されました。 船体は全溶接として建造がはじめられたが、その中のSCHENECTADY等が厳寒の夜中突然大音響とともに真二つに割れるという大事故を起こし、それが溶接性の良い鋼材開発の端緒となったことは、私たち造船屋のよく知るところです。 この事故の当時当面の対策は、クラック伝播防止として数条のリベット接手を設けることとされ、対策は成功しました。 そしてこのクラスはよく活躍し、のちにはタンカーの運航上や技術上の基準となる等、多大の影響を与えた重要な船となりました。 カタチも大変よろしい。 装飾的なものはなくシンプルなカタチだが、それでいてよいカタチになっています。 このカタチをもとに戦後 Stanvac社や ESSO社が新造船を作りましたが、いずれもよいカタチでありました。 本船についての技術論文は多いが、文献(1)はKシニアの翻訳グループで勉強しました。

T2 Tankers ・・・上図最上段、戦標船原型の状態。
STANVAC BANGKOK ・・・戦後、石油会社Stanvac社保有となったT2タンカー、Stanvac社の彩色Livery。
STANVAC JAPAN ・・・戦後Stanvac社から三菱長崎へ発注された優秀大型タンカー。 カタチはT2の拡大版でシンプルなよいカタチで、気品、風格を感じる。 手本のT2タンカーがよいカタチであったからと私は思う。
STANVAC MARINER ・・・STANVAC JAPAN の拡大版。Ref日本の商船には 「外観は二義的」 と記されているが、これは「特に工夫はなかった」ということで、手本のSTANVAC JAPANのカタチが良いので、工夫なくてもよいカタチになった、ということであると私は思う。 GAは同型船 ESSO SWITZERLANDを参考にした。
ESSO SWITZERLAND ・・・増トン改造の論文がある(2)。 改造はよいカタチを保つよう工夫されていると思う。


  文献(1)  From T2 to Supertanker, A.G.Spyrou, iUniverse, 2006,
         (日本語版) T2タンカーからスーパータンカーまで、Kシニア翻訳グループ、 2007
  文献(2)  ESSO SWITZERLAND増トン工事、林 他、 関西造協誌 1962-09


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