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 今年も師走となり、散歩途上に見られる一連の農作業もほぼ終わったようです。

 夏も盛りの頃は、太陽が山に入ったあとも空はまだ赤く、農作業は今しばらく続けられる。 この時分の山のシルエットは優しい。
 写真は十八時半頃、斑鳩の里より見た信貴山。

 刈り取りの終わった田に積み上げられる籾殻は、黄金色のきれいな形の山となる。 これに火が入ると薄い煙が漂い始め、一昼夜ほどを経て崩れながら白い灰となり、土に帰る。

 コンバインは素人目にも良くできた農機具であり、人手による刈り取りや脱穀とは比べようもない至便さである。 とは言え、稲が刈られるとすぐに、藁の匂いがすることは昔も今も変わらない。

 斑鳩の
  たおやかな山に因む二首です。

                宮 本 雅 史