FO社はノルウエイの船社、以前はいろいろの船種をやったが今はクルーズ客船、高速フェリーをやっています。 この社の1950~60年代の船には船客設備、荷役装置等の機能とカタチの調和に工夫が見られます。
BL級はノルウエイ-英国航路の客船。ハウスの流線形、ファンネルとマストの一体化等、斬新なカタチです。
BA級はノルウエイ-地中海航路の中型貨物船、荷役設備にデッキクレーンを採用し、岸壁からのフォークリフト荷役等の工夫が見られ、カタチもBL級と一脈通じた、FO社らしい良いカタチだと思います。
BANは南米航路の大型貨物船、走行式デッキクレーンを採用し、カタチはBA級の拡大型といったところです。
BOはタンカー、ブリッジはウイングをなくしタワーのみが屹立しユニークです。 構造重量や振動の観点からウイングをやめたのかと思うが、離着桟に当たってウイングから看視することができず不便であったかと思います。
BEは最近の船でAustalのトリマラン・ウエーブピアサー型、ウオータージェット推進で40ノットの高速船。
FO社等は1950~60年代、デッキクレーンやフォークリフト等、荷役設備の改善・開発に注力しています。 そして船のカタチや彩色にも工夫が見られます。 ハウス上部の側面はファンネルと同じ黄土色で、図示はしなかったが凝ったフィギュアヘッドをつけています。
FO社は1970年代タンカーを日本の造船所に発注したが、これらのタンカーもタワー型のブリッジでした。 しかし現今のほとんど全てのタンカーではブリッジにウイングがあります。
余談ながら、1947年コン・チキ号太平洋探検の隊員の一人Erik Hessenbergは集合出発地のリマへ行くため、FO社の貨物船Laurits
Swenson号<1930>にオスロからクリストバルまで乗船したそうです。 (1)
参考文献 (1)エリク・ヘッセンベルグ、松下裕訳、 コン・チキ号とわたし(絵本)、 文化出版局、1980
原典:Erik Hessenberg, KON-TIKI OG JEG, Dreyers Forlag, 1950
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