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 立冬を過ぎると斑鳩の里では、あちこちのコスモス畑の花は散り、龍田公園のさまざまな紅葉が見ごろとなる。

 「紅葉(もみじ)」といえば楓の葉を指すことが多いが、桜や花水木の紅葉も美しい。 なかでも花水木の紅葉は春の花の可憐さからは想像できない程に妖艶である。
 写真は奈良公園大仏池の岸辺の公孫樹。 葉が散りつぐ様には「散黄葉
(ちりもみじ)」が似合う。

 斑鳩には聖徳太子ゆかりの塔として法隆寺の五重塔、法起寺と法輪寺の三重塔がある。 このうち法隆寺と法起寺の塔は国宝。

 法輪寺の国宝であった塔は昭和十九年落雷で焼失した後、法隆寺宮大工西岡常一棟梁のもと昭和五十年に再建された。
 写真は十月の法輪寺。

  奈良の秋、
    公孫樹と三塔巡りの二首です。


    平成二十六年十一月
  宮 本 雅 史