産業界のDSVは北海等の海底石油・ガスの分野を中心に発達したが、代表的なものを見ます。
K船は草分けともいえ、私がJAMSTECでの仕事の中、本船を調査し、よく参考にしました。[1]
S船はK船の発展型、2次大戦中沈没した英巡洋艦EDINBURGHから金塊引揚の潜水作業をやりました。[2]
SC級は、フェリー事業等をやっている船社STENAが海洋作業のために建造したもので、大型、高度のDDS(Deep Diving System)、多機能、という点で画期的な船で、私はOTC80でこの船を知り瞠目しました[3]。 この級の1隻が英海軍のFRS
DILIGENCEになったことは前に述べました。(船のカタチ-59)
SS級はSC級の発展型、海底掘削装置のメンテナンス作業もできるDSVとして、モノハル船型の中でも動揺のすくない船型が研究・採用され、DDSの高度化がはかられています。
SA船は最近<2010>のもので、船もDDSも大型、高度の立派なものです。
このように並べて見ると、船もDDSも大型化、高度化の発達が見られ、また機能も潜水作業単独でなく、潜水作業をインテグレートした種々の海洋作業を行うものとなってきたといえます。 そしてその海洋作業はいまも発達を続けており、新種の海洋作業が出現し、そのための新しい機能が要求されている模様です。 しかしDSVの「船のカタチ」はほぼ定まってきたようで、モノハル船型、揺れの少ない付近にDDSを配置し、後部は広くて乾舷の低い作業甲板で高性能のクレーンを備え、前部には管制室、居住区、主機、補機類を配置し、前方上部にヘリデッキを設け、推進系はIES(統合電気推進)、アジポッド、スラスター、を多用しDPSを持っています。 これはまさにひとつのDominant
Designだと思います。(船のカタチ-38 参照)
[1] 神田他、潜水作業システムにおける技術開発、Ocean Age 1977-9
[2] ジョン・ガウ・プロダクション、金塊引揚作戦-バレンツ海底の200億円、NHK特集 1982-8-9
[3] 神田、OTC80 潜水作業技術見聞記、Ocean Age 1980-11、OTC:Offshore Technology Conference
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