船のカタチ(73)  海上保安庁 序論
                 だいおう <1950>級、 つがる <1979>級、 えりも <1991>級、
                 ひだ <2006級>、 あきつしま <2013> 等
                                                                   2016-01 神田 修治


海上保安庁(海保)は私たち日本の社会において大切な役所、かねて「船のカタチ」シリーズでも取上げたいと思っていました。 しかしイザ取上げるとなるとナカナカ難しい。 その理由は大小多種の船艇約450隻という大所帯であることと、各船は日本国内の海保各管区に配置されるが配置変更に応じて船名も変わるので追跡調査が面倒なのです。  私は、海保の知人から話を聞いたり、雑誌「世界の艦船」の海保特集などを読んだりして調査しました。 

また海保の船の役割・機能・性能はどうか、これも難しい。 一般の貨物船等では積載貨物、航路事情等がかなりハッキリしており、それらをもとに船を計画・設計するが、海保巡視船の役割は「コーストガード(領海境界保全)」や「ロウ・エンフォース(法の執行)」等といってもそれでは抽象的で船の計画に直ちに結び付くものではない。 実際には海保自身が、例えば不審船や尖閣等の問題に出くわしてそれに対処し、その経験に基づき設計思想等を検討する、ということになるのだろうと私は推察します。

海保は終戦後の1948年創設され、その船艇は、初期には米国コーストガードを参考に巡視船を建造し(だいおう等)、その後日本独自の考えを確立して船隊整備を進め(つがる、えりも等)、この間、不審船や尖閣の問題等が発生し、それに対応して高速巡視船(ひだ、あそ等)を整備しました。 また、海図等海洋情報の業務も海保の担当で、このための船舶も保有しています。 そしていまや海保は世界トップレベルのコーストガード、ロウ・エンフォース組織に成長しました。

このような海保の船艇について、私なりに分類し、次回以降6回にまとめてみます。(船名
太字は上図中にある。)
 ① 代表的船艇Flag Ships・・・
あきつしま、しきしま、みずほ、やしま、つがる、みうら、こじま等
 ② 実働的船艇Work Horse・・・えさん、つるみ、
えりも、くにがみ、いわみ等
 ③ 高速船艇High Speed Ships・・・しんざん、らいざん、とから、つるぎ、
ひだあそ、はてるま等
 ④ 測量船艇Hydrographic Survey Ships・・・拓洋、天洋、明洋、昭洋、はましお等
 ⑤ 歴史的船艇Historic Ships・・・だいおう、あわじ、れぶん、ほくと、しれとこ、
しんかい、えりも等
 ⑥ USCGの船艇と海保船艇への影響・・・CACTUSを手本とした だいおう、HAMILTON、BERTHOLF等

なお上記①~④では海保現有船艇の中から取上げ、⑤⑥では退役したものも含め、取上げます。
またいつものように、一つの船に左右二図あるのは、左は正横側面図、右は船首45°右舷から見た図を示します。


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