船のカタチ(25)  内航コンテナ船   こうよう型、神若型、まいこ型、まや型
                                                                   2012-01 神田 修治


今回は内航船をとりあげます。 この分野でもいろいろな開発・努力が行われています。
私は川崎重工業勤務の末期(1998年)に技術士(船舶海洋部門)の資格を取り、退職後 新産業創造研究機構(NIRO)の技術アドバイザーに加えて頂きました。 そしてNIROの「内航海運の輸送状況把握システムの研究開発」(1)の事業に参画し、そのとき井本商運社長の井本隆之さんと知合いになりました。 井本商運は日本各地の港をつなぐネットワークによる内航コンテナ航路の事業を展開しているたいへん元気な会社です。

あるとき井本さんから 「当社船隊のスケッチを描いてくれないか」 という話がありました。 井本商運からいただいた一般配置図をもとにスケッチを作って差上げたら喜んでくださり、社内のパソコンの壁紙やメモ帳の表紙に使われ、お礼として各船の記念品の精密な船のカタチを彫込んだガラスの文鎮を頂きました。 上図はそのときのスケッチに、右舷45度前方から見たカタチを加えたものです。 図で、こうよう型(3隻)、神若型(2隻)、まいこ型(5隻)、まや型(1隻)ですがその他にもあり、井本商運の船隊はタイシタものだと思います。

上図を見ると、こうよう型から まいこ型へ大型化、TEU増大の進化がわかります。 まや は最新型、コンテナを船倉内に積むのをやめ、全コンテナを甲板上に積載するという新機軸の船です。 これには船の浮力支持機能と載貨機能を分けた、機能分化の考え(2)が見られ、今後さらにこの考えが発展することが期待されます。(3)

上図では、コンテナを積載したカタチにしました。 そのほうが機能美も感じられ、色どりも豊かになると思います。 ところが、斜め前方から見た絵ではハウス前面のカタチを表現したいのにコンテナにかくれてしまいます。そこで斜め前方の絵ではコンテナを一部のみ彩色し、あとは細線(仮想線)のみにしてみました。

   (1) 内航海運の輸送状況把握システムの研究開発報告書、NIRO新産業創造研究機構 (2007)
   (2) 赤木新介、新・交通機関論、コロナ社 (1995) p68
   (3) 神田修治、内航海運の苦境克服と将来展開、MATRIX69 (2010)



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