今回は高速Cargo Linerを改造したコンテナ船を取上げます。 そもそもコンテナ船のはじめは一般貨物船を改造したものであったから、ことさらに取上げるまでもないともいえるが、ここに上げるものは、各船社のフラグシップであった高速Cargo Linerが、コンテナ化の波の中でコンテナ船に改造されたという例です。
私は船のカタチ(15)、(16)で高速Cargo Linerについて取上げたときからこれら各船社のフラグシップが、当時おしよせたコンテナ化の波の中でどのような運命に出会ったか気になっていたが、今回はその調査結果のひとつです。
上図において要目は改装年、改装造船所および改装後の要目を示します。
もんたな丸(M船)のもとは ねばだ丸(船のカタチ-14)級4隻のうちの3隻です。 Cecilie Maersk(C船)、Ludwigshafen(L船)は船のカタチ(16)に記したものです。 加賀丸(K船)は船のカタチ(15)に記したもの、べいぶりっじ(B船)のもとは船のカタチ(15)に記した いんぐらんど丸級です。 このような関係を考えながら、比べて見ると、各船それぞれにもとの面影・カタチが残っており、なかなかに興味深いです。
そして上掲各船の改装はなかなかよいカタチにまとまっていると私は思います。
これらの船は、コンテナ船の大型化、高速化の技術進化やきびしい競争の中で、欧州航路等の第一線ではなく、その他の航路で運航されたようです。 逆にいえば、コンテナ船の大型化、高速化、定時運航、省エネルギー等の技術競争や市場競争はそれほど厳しかったのだと思います。 さらには、これらの船は時代環境の変化により第一線を退いたあと、第二のキャリアを健気にガンバッタのだ、と私には老年としての感想もあります。
べいぶりっじ については資料が少なく苦労したが、要目、経歴について川崎汽船のホームページから問い合わせたところ広報グループから大変親切なご返事、情報をいただきました。ここに記して感謝いたします。
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