前回記したように1995年のSUN PRINCESS級以降、Princess Cruise社はフリートを増強しカタチもPC社のスタイルを確立し、その系譜の中で進化しますが、今回はその有様を見ます。
CP級は前回SUN PRINESS級の発達型で、客室のベランダは開放型になりましたが、その他は船首部のカタチ、ハウス前面、煙突オブジェ等にSUN
PRINCESSの特徴を濃厚に残しています。 仏Atlantiqueの建造。
GP級はCP級をベースとし、さらに進歩したもの、伊Fincantieriの建造で大胆なデザインといえます。
船首のカタチが独特で、Bow lineはconvex凸、Water lineはconcave凹です。 船尾には高い位置に展望デッキがあり、スポーツカーのテイルフィンのようですが、船のカタチとしては落ち着かないと私は思います。
Fincantieriはイタリアの経験豊かな名門造船所、大胆な新機軸をうまくまとめていると私は思います。
DP級は日本MHI建造。 カタチはGP級に類似しているが船尾の展望デッキは煙突オブジェの下部に置いて、まとまったカタチとなりました。 私はこちらの方がよいカタチと思います。
Fincantieri建造船も、後期の船はMHI建造のDP級と同様のカタチとなりました。 GP級、DP級はほぼ同型で合計9隻です。
このようにSUN PRICESS級からCP級、GP級、DP級、のカタチには系統的な進化が見られます。
それは①開放的なベランダの客室を極力多数設けたハウスと、②ハウスの頂部は日光を浴びた遊戯場所と見晴らしの良い展望デッキ、という考えを進めて、PC社のクルーズ客船のカタチはGP級、DP級でひとつの極致に達したと思います。 そしてSUN
PRINCESS級も入れたこれらの合計は15隻という多数のクルーズ客船フリートとなりました。 クルーズ客船事業における大量生産(マスプロ)の現れといえると思います。
これらの船が建造された時期2003年に、PC社およびP&O社クルーズ部門は、巨大グループのCarnival社に買収・合併されましたが、Princess、P&Oの社名は残り、運営も従来のやり方を継続しているようです。
もともとPrincess社もP&O社も元気に営業していたのに なぜCarnival社の傘下に入ったのかについては、クルーズ客船事業のマスプロ化の動向が要因と私は思います。 この市場はますます巨大化・多様化が予測されていますが、これにそなえて定期的に新型の巨大船を市場投入するためには巨大な資金が必要でありそのために会社も巨大でないとやって行けないのだろうと思います。
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