商船三井MOLは周知のとおり大阪商船OSKと三井船舶が合併してできた船社です。
OSKは戦前から定期客船事業をやっていましたが、戦後もブラジル移民の南米航路をやり、移民の船客が減少したあとはクルーズ客船をやりました。 だからMOLの客船事業は戦前から絶えることなく継続して現在に至っている、これがMOL客船事業の特徴のひとつです。 現在は商船三井客船社MOPASがやっています。
にっぽん丸-1は南米航路貨客船 あるぜんちな丸をクルーズ客船に改造したもので、船のカタチにも あるぜんちな丸(船のカタチ-29)の面影が残っています。 貨客船時代のデリックポスト等が残っており、客船のカタチとは言い難いが、これはこれでバランスのとれたよいカタチと思います。
にっぽん丸-2は にっぽん丸-1の老齢化引退にあたりブラジル客船ROSA DA FONSECAを買船したもので、クロアチア(旧ユーゴスラビア)の造船所Uljanik建造、東欧風のよいカタチの客船だと私は思います。
日本におけるクルーズ客船時代を迎えて1989年には ふじ丸が新造されました。 船全体としては大変良いカタチと思います。 上部構造の台形のオブジェは船名由来の富士山をかたどったものと思われますが、これの斜めの支材は客室からの眺めを邪魔するだろうとも思います。 のちに、斜めの支材は切り取られました。
にっぽん丸-3はふじ丸をベースに、さらに洗練したものといえます。 ハウス前面はふじ丸では遊歩通路があったがにっぽん丸-3ではなくなり、かわりに曲面の外板でエンクローズされました。 にっぽん丸-3は2010年に改造され、彩色も変わりました。 新しい彩色では主船体は黒となり、ノルウエイHurtigrutenの船、NORDKAPPやFRAM(船のカタチ-40)に似たものとなり、これはこれでよいスタイルだと思います。 イマドキの女性に言わせれば「カワイイ!」となるでしょう。・・・そして人気が出ればそれもよい、と私は思います。
|
|