船のカタチ(19)  SWEDISH EASTASIATIC社 高速貨物船からコンテナ船へ         2011-07 神田 修治


上図はSvenska Ostasiatiska(Swedish Eastasiatic)社(SOK)のCargo Linerからコンテナ船への船のカタチの変遷を示します。 上からJAPAN<1955>、 NAGASAKI<1961>、 HOKKAIDO<1966>、 ISFAHAN<1969>、 NIHON<1972>、 NAGANO<1974>で、船名には仕向け地名が用いられ、日本の地名も多いです。
SOK社はCargoLiner発展のそれぞれの時代に、それぞれ性能優秀でよいカタチの船を出してきました。

このように並べてみると、この時代の船のカタチの変化がよくわかるとともに、次のことに気がつきます。
 ① エンジンとハウスは船体中央から船尾の方へ移り、船体中央部のよいスペースを貨物倉に当てる。
 ② 荷役設備がデリックからデッキクレーンの採用、さらに多列ハッチ等多様化し、結局最近はコンテナ船と
    なった。

これらのことは、船のカタチ-15-16-18 にも記しましたが、これらのアフトエンジン化、デッキクレーン採用等の合理化、機能化を進める中にも、船のカタチがよいということを維持したSOK社と関係造船社のセンスに感心します。

上図はむかし私が神戸港で見た印象で、海と空の青に映えた白い船体が美しいと感じて描いたものですが、白い船体、赤いブートトップ、クリーム色のマストとエントツ、エントツにはスウエーデンの三王冠のマーク等と、SOK社は自社船のカタチや彩色に意を用いることに熱心で、その船は美しいカタチであったと私は思います。

SOK社はスウエーデンを代表的する名門船社でありましたが、コンテナ化等のビジネスモデルの変化や台頭するアジア船社との競争に適応できなかったためか、1980年ごろに残念ながら撤退しました。

注)
JAPAN  147 mLoa 6000 GT 8500 dwt 8300 PS  17 kts  Eriksberg  ref. Shipping World 1955
NAGASAKI   159 mLoa  10000 GT  11000 dwt  10000 PS  18 kts  Nederland  ref. Motor Ship 1961
HOKKAIDO   156 mLoa  10700 GT  13100 dwt  12000 PS  19 kts  Eriksberg  ref. Shipping World & SB 1966
ISFAHAN  140 mLoa 9600 GT  13000 dwt 8800 PS  16 kts  Eriksberg  ref. Shipping World & SB 1969
NIHON  275 mLoa  50400 GT  35000 dwt  75000 PS  26 kts  Oresund  ref. Shipping World & SB 1972
NAGARA  209 mLoa  22300 GT  20400 dwt  35000 PS  23 kts  Wartsila  ref. Motor Ship 1974


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