上図はSvenska Ostasiatiska(Swedish Eastasiatic)社(SOK)のCargo Linerからコンテナ船への船のカタチの変遷を示します。 上からJAPAN<1955>、 NAGASAKI<1961>、 HOKKAIDO<1966>、 ISFAHAN<1969>、 NIHON<1972>、 NAGANO<1974>で、船名には仕向け地名が用いられ、日本の地名も多いです。
SOK社はCargoLiner発展のそれぞれの時代に、それぞれ性能優秀でよいカタチの船を出してきました。
このように並べてみると、この時代の船のカタチの変化がよくわかるとともに、次のことに気がつきます。
① エンジンとハウスは船体中央から船尾の方へ移り、船体中央部のよいスペースを貨物倉に当てる。
② 荷役設備がデリックからデッキクレーンの採用、さらに多列ハッチ等多様化し、結局最近はコンテナ船と
なった。
これらのことは、船のカタチ-15、 -16、 -18 にも記しましたが、これらのアフトエンジン化、デッキクレーン採用等の合理化、機能化を進める中にも、船のカタチがよいということを維持したSOK社と関係造船社のセンスに感心します。
上図はむかし私が神戸港で見た印象で、海と空の青に映えた白い船体が美しいと感じて描いたものですが、白い船体、赤いブートトップ、クリーム色のマストとエントツ、エントツにはスウエーデンの三王冠のマーク等と、SOK社は自社船のカタチや彩色に意を用いることに熱心で、その船は美しいカタチであったと私は思います。
SOK社はスウエーデンを代表的する名門船社でありましたが、コンテナ化等のビジネスモデルの変化や台頭するアジア船社との競争に適応できなかったためか、1980年ごろに残念ながら撤退しました。
注)
JAPAN |
147 mLoa |
6000 GT |
8500 dwt |
8300 PS |
17 kts |
Eriksberg |
ref. Shipping World 1955 |
NAGASAKI |
159 mLoa |
10000 GT |
11000 dwt |
10000 PS |
18 kts |
Nederland |
ref. Motor Ship 1961 |
HOKKAIDO |
156 mLoa |
10700 GT |
13100 dwt |
12000 PS |
19 kts |
Eriksberg |
ref. Shipping World & SB 1966 |
ISFAHAN |
140 mLoa |
9600 GT |
13000 dwt |
8800 PS |
16 kts |
Eriksberg |
ref. Shipping World & SB 1969 |
NIHON |
275 mLoa |
50400 GT |
35000 dwt |
75000 PS |
26 kts |
Oresund |
ref. Shipping World & SB 1972 |
NAGARA |
209 mLoa |
22300 GT |
20400 dwt |
35000 PS |
23 kts |
Wartsila |
ref. Motor Ship 1974 |
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