注 : 図の左側は真横側面図、右側は右舷45°前方から見た図を示す
1970年代には造船国・日本の進出等によりスエーデンの造船には凋落のきざしが見られました。
またこの時代、船舶の大型化、船体形状改善、造船工作法改善、荷役設備の改善等の技術開発、およびコンテナ船の出現・発達がありました。 船社Johnson
Lineもこれらの影響を受けたといえます。
ACONCAGUA VALLEY級は前出YAKIMA VALLEYの流れをくむ冷蔵運搬船Reeferで2列ハッチ、推進プラントはデイゼル2機1軸、可変ピッチプロペラCPPです。 本船はスエーデンの造船所ではなくフィンランドWaltsilaで建造されました。
Waltsilaも伝統ある造船所だがコスト競争力が比較的強かったのだと思います。 以後Johnson は多くの船をWaltsilaで建造します。 ついでに、Waltsila社もその後クルーズ客船の建造で名を馳せたり、他方経営的には苦しい経験をします。
AXEL JOHNSON級はコンテナ船、デッキ走行クレーンを有し、荷役装置ありのコンテナ船です。
MARGARET JOHNSON級は同型のコンテナ船だが荷役装置なし(gearless)です。
これらのコンテナ船は、当時の日本のコンテナ船 箱根丸<1968>級(船のカタチ-20)と同程度の性能の船だが、コンテナ化において日本のような果敢さがなく、ハウスの前面が曲面であったり、船首と船尾に従来
式の貨物艙やクレーンがあり、コンテナ化の中カーゴライナーのデザインに躊躇・迷いが見られると私は思います。
PACIFIC級はCar and Timber carrier自動車木材運搬船。自動車2台をひとつのプラットフォームに乗せてユニット化した貨物や定尺に製材・梱包した木材を、コンテナのようにデッキ走行クレーンで積卸する船です。 これは広口ハッチ貨物船(船のカタチ-35)の先駆であり、独特のコンテナ化対応であったと、私は考えます。
このようにJohnson Lineは1904年に創業して以来、高性能・高機能でカタチ美しい船を建造し運航したが、コンテナ化やコスト競争等厳しい経営環境の中1990年代に事業から撤退、姿を消しました。 また同様に、スエーデンの有名造船所も、Gotaverken社、Eriksberg,社、Lindholmen社等は姿を消し、Kockums社は残ったが商船の建造は止めて潜水艦や艦艇の建造をやっています。 Kockums社といえば、日本潜水艦そうりゅう級のAIP、スターリング機関(船のカタチ-50)はKockums社の技術がもとになっています。
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