以前船のカタチ-49~60で潜水艦を発表したがそれは潜水艦技術、潜水艦救難、潜水技術がテーマでした。
今回は「海自の艦艇」という趣旨で記します。 海自潜水艦の使命は、海自の使命として度々述べたように、日本の海上交通の保護であり、その中のASW対潜戦、潜水艦vs潜水艦であると私は思っています。
上には、海自潜水艦の1980年代までの全級を図示します。
くろしお <1955>、おやしお <1960>は、海自初期の潜水艦、ASW訓練の標的役として重視された。
はやしお <1962>級、なつしお <1963>級からは本来の潜水艦vs潜水艦、のための潜水艦だが、小型で航洋性不足でした。 そこでおおしお <1965>、あさしお <1966>級は大型とし水上航走性能も重視されました。
うずしお <1971>級は画期的な艦でありました。 船型を涙滴Teardrop型とし、水中航走性能を重視し向上しました。 構造、艤装の面でも、潜航深度の増大、酸素・炭酸ガス等生命維持装置LSS-Life
Support Systemの能力向上等、水中オペレーション能力の向上が図られました。 運用成績良く同型艦7隻が建造されました。
ゆうしお <1980>級はうずしお級の成功に鑑み、その改良型として11隻建造されました。
ところで日本では、潜水艦の潜航深度は公表されていません。 それは海洋音響現象の中、深度は潜水艦の隠密性能に関係するから秘密にするのであると私は理解しています。 潜水艦造船屋OBとして私は、潜航深度を公表しないことは妥当と思います。 しかし一国民として私は、わが潜水艦はどの程度の性能かを知りたいとも思います。 ここに矛盾があります。 官の守秘志向、民の公開要求という立場の相違もあるでしょう。 私の思いは、秘密事項は最小限とし、秘密とする理由を国民に説明し理解を得るべき、といったところです。
報道で「国籍不明潜水艦が日本の領海近くを潜航したのを探知した、その潜水艦はあと退去した」と聞くこと等あるが、これは潜水艦vs潜水艦の活動において日本潜水艦が怪しい潜水艦を探知制圧し、その潜水艦は退去余儀なくなったもので、日本潜水艦の活動の成果と観るべきと私は思います。 このような報道は私には一国民として心強く、よいことと思いますが、報道は情報公開、上記のような問題もあると思います。
情報公開については国会立法のもと、防衛省の管理により、しかるべくやられていると私は思いますが、私はさきの戦争をスコシ知る戦後民主主義世代の者として、軍部が何事も秘密にして独走・暴走した悪しき思い出があり、この悪弊を繰り返してはならないと思うのであります。
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