上掲はCSG、ARG軍団(船のカタチ-93)の艦に燃料や弾薬、糧食等を補給するLogistic艦です。 米海軍はこれら後方支援の艦を等閑にせず、兵站として重視しました。 二次大戦直後まではT-2タンカー等ありあわせの船体を利用したが、その後は専用の新造艦を揃えました。 これらでは洋上補給の技術が重要で、補給艦と受給艦が横並び航走しながら、両艦を結んだホースで油等を、ハイライン装置で弾薬、糧食等の貨物を補給します。 軍団各艦への洋上補給は高速でやるためAOE高速補給艦があり、AOEへの、T-AOやT-AKEからの貨物積替えも、高速ではないが洋上補給でやられます。 上図で「T-」はMSC(注1)所属を示します。
KENNEBEC <1942>級、T-2タンカー(船のカタチ-80C)を利用の給油艦、洋上補給ホース用デリックを有する。
NEOSHO <1954>級、新造優秀給油艦、洋上補給はデリック式、一見古風のカタチだがよく見ると味のあるよいカタチ。
SACRAMENTO <1965>級、蒸気タービン高速補給艦、給油と貨物補給。船首艦橋・船尾機関船型、洋上補給専用ポストを有す。
SUPPLY <1974>級、SACRAMENTO級の後継艦、主機がガスタービンである他はSACRAMENTO級と同様。
HENRY J. KAISER <1986>級、新造高性能給油艦、Pielstick中速デイゼル機関2機2軸(注2)、カタチはワタクシ的には好きでない。 船首楼長すぎる、凌波性のためならば船首楼の下の開口はオカシイ。 凌波性でないなら甲板室にすればよいと私は思います。
LEWIS AND CLARK <2016>級、新造多機能高性能補給艦、カタチは機能本位だがよいカタチにまとめられたと私は思います。
基本的には貨物船の、これらの艦に2軸2舵の艦があり、それは過剰品質ともいえるが、しかし私は洋上補給の高度な操艦、敵襲被害に対する備えとして大切と思う。 このように優秀な補給艦は兵站重視、ひいては従軍の人々を大切にする思想と私は思う。 この思想はわが海上自衛隊(海自)に導入され、それはよいことと私は思います。 その海自について、次回から述べます。.
上記のT-AOとT-AKEはMSCの所属だが、MSCにも高機能、高性能、カタチ良い艦船が多数あります。
以下にMSCの艦船について少し述べたいと思います。(船のカタチ-98A、-98B)。
(注1) MSC:Military Sealift Command, これについては後述する
(注2) European Diesel Propulsion for US Fleet Oiler Series、Motor Ship 1983-02、
(資料1) 特集・アメリカ海軍, 世界の艦船 460, 1993-01
(資料2) 特集・アメリカ海軍, 世界の艦船 814, 2015-04
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